現在、多くの(小売向けの)商品に印刷されているバーコードはJANコードと言われるものです。 バーコードスキャナにてスキャンすると、 8桁あるいは13桁の数字列になります。
「JAN」という名称自体が「Japan Article Number」を略したもので、 日本国内でしか通用しない言葉ではありますが、規格自体は海外製品と共通になっているため、 基本的に同規格であれば、海外製品の読み込みもできますし、日本製品をそのまま輸出することもできます。
ただし、8桁規格は日本独自の規格で、海外では通用しないとのことです。 互換性があるのは13桁のみです。 基本的に海外製品であっても13桁のものはそのまま使用することができます。
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JAN13の例(4971633002005) |
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JAN8の例(49400762) |
※日本国内に流通している海外製品のうち、 特に多いと思われるJANと互換性の無いコードは、 アメリカ・カナダで使用されているUPC-Aという12桁コードです。 これらのバーコードを日本製のバーコードスキャナにて読み込むと、 頭に0が付加された13桁コードになります。 詳細はバーコードスキャナ使用上の注意を参照してください。
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UPC-Aの例。 本来は「073854000861」という12桁のはずだが、スキャナで読み込むと「0073854000861」という13桁になる。 バーコードスキャナ使用上の注意を参照のこと。 |
本システムではJANコード(8桁もしくは13桁)あるいは、これと互換性のあるコード体系のみを サポートしますが、UPC-Aコードも頭に0をつけることで利用可能と思われます。
以下ではJANコードを構成する数字の意味について述べます。 この知識が必要であるのは以下の理由からです。
8桁・13桁の桁数に関わらず最後の一桁は 「チェックディジット」と呼ばれ、自由な値を指定することはできません。 他の7桁あるいは12桁部分から計算によって求まる値を指定する必要があります。
例えば、最初の例としてあげた「4971633002005」というJANコードの、最後の「5」という数字は、 他の「497163300200」という数字列から算出した値で、これ以外の数字にすることはできません。
この計算方法については「チェックディジット」「JANコード」などのキーワードでネット検索してください。
お手持ちの日本製品をごらんください(書籍は除きます)。 8桁・13桁に共通しますが、最初の数字は45あるいは49のいずれかになっているはずです。 これは国コードと言って、国ごとに数字が決められています。
日本製であるにも関わらず、45、49以外の数字が使用されている場合がありますが、 これはJANコード規格に沿った使い方ではありません。 無用な混乱を招く可能性がありますので、メーカー側に注意すべきです。 また、このようなコードを受け入れて使う場合には、他のコードと競合しないかどうか十分注意してください。 特に、以下に述べるインストアコード用の数字が使われている場合に注意してください。
国コードのうち、特に20から29の10種類は国には割り当てられておらず、「誰でも自由に使ってよい」 ということになっています。これをインストアコード用領域といいます。
通常、JANコードはしかるべき機関に申請しなければ商品に印刷することはできません。 誰もが好き勝手に使いはじめたら、何番がどんな商品であるのかわからなくなってしまいます。
ところが、これとは逆に20から29の領域は「好き勝手に使ってよい」ということになっています。 もちろん「店の外には出してはいけない」という制限がつくのは当然のことです。
そこで、この領域を使って店独自のJANコードを作成することができます。 本システムがサポートする用途としては以下のとおりです。
これらのラベルは、店の外には出てしまいますが、他社とのやりとりに使用するものではないので構いません。
本システムでは、最初の二桁(20~29)と最後のチェックディジット以外の10桁の部分に 商品コードや顧客コードを割り当てて商品ラベルや顧客ラベル用のJANコードを生成します。 インストアJAN設定はインストアJAN設定画面にて行います。
※大手レジメーカー等ではインストアコードとして「02」「04」などの コードを使用している場合がありますが、 これはそもそもの規格に沿った使い方ではありません。 新規にインストアコードを利用し始める場合は、これらのコードの使用は避けてください。
日本製品のJANコードは、45,49で開始しますが、その後に続く数桁はメーカーコードと言われるものです。 したがって、メーカーコードがわかれば、 商品のJANコードからどのメーカーであるかがわかります。
規格上のメーカーコードは、13桁の場合、5桁あるいは7桁のいずれかですが、 この桁数には実用上あまり意味はありません。任意の桁数であると想定してください。 なぜなら、大きな範囲を親会社が確保し、その一部分を子会社用として割り当てるということがありうるからです。
例えば、45に加えてAAAAAという5桁のメーカーコードを親会社A社が取得したとします(Aの部分は実際には数字です)。 A社の利用できるJANコードの範囲は 「45AAAAA00000」から「45AAAAA99999」までです(13桁目はチェックディジットですので自由にはできません)。 これを子会社B社、C社に次のように与えているかもしれません。 B社は「45AAAAA10000~45AAAAA19999」、C社は「45AAAAA20000~45AAAAA29999」。
そうしますと、(規格上ではない)実際のメーカーコードは、
ということになります。
本システムでは、国コードの45や49を加えた形のコードを「メーカーコード」として登録します。 なぜなら、取り扱う商品は日本製だけではありません。 あるメーカーが自社のJANコードをつけた自社製品と、輸入した外国製品を扱うこともありえます。
A社が輸入製品も扱っているとしますと、本システムに登録されるA社のメーカーコードは 以下のようになるでしょう。
※「*」の部分は実際には数字です
本システムでメーカーコードを登録する理由は、 JANコードを読み込めば即座にどのメーカーであるかを判断できるようにするためです。 これを使って、商品インポート時 や、商品編集時に 自動的にメーカーを設定することができます。
メーカーコードを登録する際の制約としては以下があります。これは純粋に論理的な制約です。 例えば、13桁用のメーカーコードとして123を登録したとします。すると、 「123**********」というJANコードを持つ商品は、すべてこのメーカーのものであると認識されます。
ここで、別のメーカーに「1234*********」というメーカーコードを登録することはできません。
もし最初に、あるメーカーに「123」というメーカーコードを割り当て、 次に別のメーカーが「1234」というメーカーコードを使用していることが判明したときは、 最初のメーカーコード登録を修正しなければならないことに注意してください。 例えば、「123」を「1230」にするなどが考えられます。
残念ながらJANコードは13桁と桁数が少ないため(実際に使用できるのは12桁分)、 昨今のように次々と新製品が発売されるような状況ではすぐにコード領域が無くなってしまいます。
このため、メーカー側では廃番になった古い商品のJANコードを再利用しています。 このサイクルはメーカーによって決まっていると思われますが、 ときには、製造は終了しているが店頭にはまだ出回っているA商品の賞味期限内に発売した、新しいB商品にA商品と同じJANコードを使ってしまうということもありえますし、 同時に発売中の複数の商品アイテムに同じJANコードを使ってしまうことさえあります。
このため、それらの商品を在庫している場合は、 JANコードを見てもどの商品であるのか判断がシステム上はできません。
さらに、上述したように規格上使ってはいけない領域(インストアコードなど)を勝手に 納品物に使用してしまうメーカーもないわけではありません。
本システムでは、複数の異なる商品に同じJANコードを指定することはできますが (重複警告は表示されます)、そうしてしまいますと、 システム上ではJANコードで商品を特定することは不可能になります。
このような場合は、いずれかのJANコードを商品に登録しないでおくか、独自の商品ラベルを作成してそれを貼付しておくことが必要になります。 JANコードの最大の目的は「レジでの売上登録を素早く行うため」ですから、 JANコードを登録しないままでも、レジでの登録が遅くなることを除いてはシステム上の不都合はありません。。
しかし独自の商品ラベルを作成しておけば、JANコードと異なりこちらは絶対に重複することはありません。 本システムでは商品ラベルは商品ラベル印刷画面で印刷することができます。