サーバコントローラの「起動設定」タブでは様々なオプションを指定することができます。
ここでは「キー=値」という形で設定値を記述します。
基本的には、ほぼこれらの設定を行う必要はありませんが、唯一どなたでも有用と思われる設定がtestRunです。
testRun=true
これを指定すると、PC端末の画面がすべて赤枠で表示されます。 これは特に、既に以前のバージョンの商品スタッフIIをお使いの場合に、新たにVer.2導入の試用を行う際に便利です。 お使いになる方が本番環境と試用環境を間違えないようにするためのものです。
これ以降は通常は指定する必要がありません。何らかの特殊な使い方をしたい方が設定するものです。
enableBackup=true
デフォルトはtrueです。禁止したいときにfalseにします。 これは自動バックアップ設定がされていても、動作を行わせないために設定します。
例えば、毎日深夜にデータベースの自動バックアップを行うとします。 この「毎日どの場所にバックアップする」という設定自体がデータベース内に書き込まれています。 もし、バックアップされたデータベースを使ってシステムを動作させると、こちらも同じ場所にバックアップを行なってしまいます。 これを避けるため、「enableBackup=false」を設定すると、設定のいかんに関わらず、自動バックアップは行いません。
以下を参照してください。
商品スタッフIIの使う二つのポート番号を指定します。 デフォルトでは以下に示すように8080と4455になっています。
webServerPort=8080 rmiPort=4455
ある一つのポート番号は、そのパソコン内で一つのソフトウェアしか使用することはできません。 したがって、例えば既に8080や4455が別のソフトウェアで使用されている場合には、この値を変更しなければなりません。
特に一つのパソコン内で、例えばVer.1のネットワーク版サーバとVer.2のサーバを起動したい場合などは、 どちらかのポートを変更しなければなりません。V1/V2とも同じポート番号8080,4455を使用しているからです。
Firebirdデータベースのアカウントを指定します。デフォルトでは、次に示すsysdba/masterkeyとなっており、 これはFirebirdデータベースをインストールした時にデフォルトで作成されるアカウントです。 何らかの理由でデータベースアカウントを変更した場合にはこれを指定します。
dbUserName=sysdba dbPassword=masterkey
サーバ識別子を設定します。これは、同じLAN内において、複数の商品スタッフII Ver.1ネットワーク版、あるいはVer.2を 使用する場合で、さらにそれらのデータベースがもともとはコピーであった場合に指定する必要があります。
※以下の番号は例になります。
serverIdent=11223344
商品スタッフIIのデータベースが作成された時に、ランダムな番号がサーバ識別子としてデータベース内に格納されます。 これは、データベースを識別するための「指紋」と思っていただければ良いです。
この「指紋」によって、PC端末側はどのサーバのデータベースかを識別しています。例えば、LAN内に二つの商品スタッフIIサーバがあり、 端末側でその二つに対する端末を同時に起動する場合は、この指紋によってどちらであるかを区別する必要があります。
しかし、元々が一つのデータベースのコピーであった場合には、この二つのサーバでの「指紋」が同じになってしまいます。 このため、もしこのように「コピーしたデータベース」であった場合には、一方のサーバの「指紋」を変更しなければなりません。
これを強制するためにserverIdentを指定します。ここで指定する数字は「ランダム」で構いません。
※いったんこの設定でサーバ識別子を変更すると、その値がデータベース内に書き込まれます。 したがって、次回のサーバ起動時には、サーバ識別子指定(serverIdent指定)は削除して構いません。
Windowsでサーバを起動する場合には、この設定は不要です。 Linux等でサーバを起動する場合に、gbakおよびnbackupのパスを指定するためのものです。 gbakおよびnbackupは共に、商品スタッフIIがデータベースのバックアップ・リストア操作で内部的に使用するコマンドです。 LinuxのバージョンやFirebirdのバージョンによって、この場所が異なる場合があります。
以下は指定の例になります。
gbakPath=/opt/firebird/bin/gbak nbackupPath=/opt/firebird/bin/nbackup
これ以降は非常に特殊な設定になります。通常は設定しないでください。
heartBeatInterval=60 heartBeatTimeout=180 termVmArgs= serverVmArgs=
PC端末からサーバ側に送信するハートビート間隔とその切断を判断する時間を秒で指定します。
PC端末がLANから切断してしまった時などに、自動的にサーバ側が切断を認識するためのものです。 PC端末はheartBeatIntervalの間隔でサーバ側に「生きている」通知を行い、サーバ側は heartBeatTimeoutのあいだPC端末側から通知が無かった場合に「切断」と判断します。
共に端末起動時、およびサーバ本体起動時にJava仮想マシンに与える追加の引数を空白区切りで指定します。 特にJava仮想マシンに与えるメモリ領域を大きくしたいときなどに有用です。
以下はサーバコントローラの「起動設定」に指定する値ではなく、server.jarプログラムの引数として指定するものです。 これらは特殊な用途に用います。
例えば、最初に説明する-headlessを指定する場合には、以下のようなコマンドを投入します。
java -jar server.jar -headless
サーバコントローラ画面を出さずに、サーバ本体を起動するものです。 この用途としては、ウインドウシステムの無いLinuxマシンにおいて、サーバのみを起動する場合です。
この場合、サーバ本体はserver.propertiesを読み込み、その設定にしたがって起動されます。
サーバプログラムが更新された後にserver.jarを再起動する際に自動的に指定されます。 このフラグが指定されると、更新操作に使用した一時領域を削除し、 -headlessでなければ、自動でサーバ本体の起動を行います。