レスプリの機種選択

ここで扱う機種としては、サトー社の「レスプリ」と呼ばれる機種ですが、これは小林クリエイト社のIPシリーズとしてもOEM供給されています。 ですから、両者は同じものですが、機種名がそれぞれ異なっていますのでご注意ください。 一般に小林クリエイト社製のものの方が中古も豊富で価格も安いと思われます。

機種選択のポイント

サトー社の過去の製品も含めますと、製品には様々なバリエーションがあります。購入の際は十分に注意してください。 特に注意が必要な点を以下に述べます。

印字方式~感熱式か熱転写式兼用か

一般的なレシートプリンタでは感熱方式が主流です。これは、感熱紙に熱を加えて文字を浮かび上がらせるものです。 ラベルプリンタでも同じ方式を選択できます。しかし、この方式の難点としては長期保存性に難がある点です。

これに対し、熱転写方式では、別途インクとしての「リボン」を使い、紙にインクを転写していきますから、熱転写式に比較すると 保存性が良くなります。長期在庫の可能性のある商品へのラベルにはこちらを使用すべきです。

※熱転写方式の「用紙」としては、感熱紙も使用できますが、感熱である必要はありません。

当然ですが、コストとしては前者の方が割安です。後者では用紙に加えてインク「リボン」が別途必要になってくるからです。

サトー社製のプリンタは、「感熱専用」かあるいは「感熱・熱転写兼用」の二つのタイプになっています。 「感熱専用」機では、後から熱転写方式を選択することはできません。

ヘッド密度~1mmあたり8ドットか12ドットか

ヘッド密度とは、どの程度の細かさの絵を描画できるかを意味します。この概念を以下に図示しました。 この例は1mmあたり8ドットです。

このように絵や文字を「ドット」という単位で描画していきますが、 上図に示すように1mmあたりのドット数が8個なのか、あるいは12個かという違いがあります。

もちろん、12個の方が優れてはいますが、通常の文字やバーコードを描画する場合には、8ドットで問題ありません。

インターフェースは何か

パソコンとの接続方法です。以下の方式があります。

現代のパソコンには、もはやシリアルポートやパラレルポートが装備されていないものが多くなっています。またこれらのインターフェースは極めて低速です。

したがって、必ずUSBあるいはLANを選択してください。 サトー社のプリンタの場合、おおよそ「USB/LAN」と表示されています。 これらの機種では、USB方式あるいはLAN方式のいずれかをディップスイッチで切り替えて使用することができます (両方同時に使用することはできません)。

カッターの有無

レシートプリンタ等では、顧客向けレシートを発行した後に、ロール紙を自動カットするのが一般的ですが、 ラベルプリンタではカッター付のものと無いものがあります。

その理由は、専用ラベル用紙の場合、ラベルの大きさはすべて同じで、ラベル間にミシン目が入っており、手で簡単にちぎれるからです。

カッター有りの方が便利ではありますが、上記のような専用ラベル紙の利用では必ずしも必要ではありません。

お使いのWindowsに対応するドライバがあるか

特に旧機種では、以下のドライバしか提供されていませんので、この点には十分ご注意ください。

Windows10以降、あるいはWindows8.1までの場合でも64ビットOSでUSB接続を使いたい場合には新機種を選択する必要があります。

Windows10対応機種

以下にWindows10対応機種をあげます。Windows10対応ではありますが、既に販売終了となっているものがあります。

サトー社機種

L'esprit(レスプリ)V/V-exシリーズ

小林クリエイト(Kobayashi)機種

ip-66、ip-206、ip-226、ip-65、ip-205、ip-225

※サトー社の名称に比較すると新旧機種の違いがわかりづらくなっています。

サトー社機種・小林クリエイト機種の早見表

※本表は独自の調査による概略です。正確な情報はメーカーにお問い合わせください。

レスプリの名称としては以下を意味しているようです。

現行機種(2019/4)

サトー Kobayashi 方式 ドット数
T408v-ex ip-66 感熱 8
T412v-ex ---- 感熱 12
R408v-ex ip-206 兼用 8
R412v-ex ip-226 兼用 12

販売終了機種

サトー Kobayashi 方式 ドット数
T408v ip-65 感熱 8
T412v ---- 感熱 12
R408v ip-205 兼用 8
R412v ip-225 兼用 12

※上記の機種名に加え、インターフェースの種類やカッターの有無に違いがあります。

Windows10非対応旧機種

以下に、Windows10に非対応の旧機種の種類をまとめます。 これらの旧機種では、先に述べたようにWnidows10用のドライバが提供されておらず、Windows10以前でも64ビットOSでのUSB接続がサポートされていません。 中古購入の際はご注意ください。

サトー社機種

レスプリ T8、R8、T12、R12、加えて改良型のT8-2等があります。

小林クリエイト(Kobayashi)機種

ip-50、ip-60、ip-100, ip-200、ip-120、ip-220

※サトー社の名称に比較すると新旧機種の違いがわかりづらくなっています。

サトー社機種・小林クリエイト機種の早見表

※本表は独自の調査による概略です。正確な情報はメーカーにお問い合わせください。

サトー Kobayashi 方式 ドット数
T8-2 ip-60 感熱 8
T12-2 ---- 感熱 12
R8-2 ip-200 兼用 8
R12-2 ip-220 兼用 12
T8 ip-50 感熱 8
T12 ---- 感熱 12
R8 ip-100 兼用 8
R12 ip-120 兼用 12

※上記の機種名に加え、インターフェースの種類やカッターの有無に違いがあります。